LOGIN濃い、濃ゆ~い1日+半日。やっとのことで街だ。アーヤは公務に1週間。時間はある。俺はもっと自己研鑽して強くなりたい。魔力コントロール、剣術、魔法の加減など、上げればきりがない。まずは冒険者ギルドだ。
(なーんかギルドって絡まれそうなイメージなんだよねー)
【ん? どうしてです?】
(そうだなー、結構お約束として、お前みたいな弱そうな奴が冒険者になれるかよーって感じでいかつい荒くれな見せかけのかませ犬マッチョに絡まれる。んでまずパターン①、実は結構いいやつでこっちに色々親切にしてくれるってやつ)
【じゃあパターン②があるんですね?】
(そうそう、②は見た通りの雑魚いチンピラで露骨に絡んで勇者的な主人公にボコられる。かな?)
【ほー、じゃあ他にもパターンが?】
(そうだなー、転生したばっかりでこっちの通貨がなくてギルド登録できないで右往左往する情けない主人公パターンかな。って俺はこの世界のお金持ってるのかアリア様よー?)
【一応
(おおーさすがにそういうとこは抜かりないね。ってこの世界の通貨って何て言うの?)
【当ててみて下さいー】
(えー?)
【だからー、当ててみて下さいよー】
あ、これはめんどくさくなるやつだわ。当たるわけないだろ、こいつめ。
(あーあー、なんか耳が急に聞こえなくなったぞ、耳鼻科行かないとーやばーい(棒))
【あー! めんどくさいと思ったんでしょうカーズさん!】
(いやー何も聞こえない、ヤバいなーこれはー(棒))
【ちょっとー! カーズさんってばー!】
俺はアリアをあしらいながら街の中を歩く。お、屋台が並んでていい匂いがするぞ。
(そういえば何も口にしてないし、そろそろ何か食べた方がいいな。美味そうな匂いもするし)
【そうですねー、そろそろ補給した方がいいですよー】
肉の串焼きを売っている店を発見。ビッグ・ボアの串焼きかー。ここにしよう、少し補給するだけだし。
「すいません、このビッグ・ボアの串焼きを3つ下さい。それに果実ジュースっていうのも1つ」
恰幅のいい店のオヤジが威勢よく応える。
「へいらっしゃい! ボア串3つに果実ジュースね、お嬢ちゃん可愛いから1本はサービスだ。150ギールな!」
異次元倉庫から財布を出す。今時がま口とは……詰め込み過ぎてパンパンだし、NA○UTO財布かよ。そして中から丁度の額の貨幣を渡した。もう嬢ちゃんと言われても否定するのがめんどくさい。気にしないようにする。そして『へいらっしゃい』は、どの世界でも共通語なのかね(笑)?
「そこいらにベンチがあるから適当に座って食べな! また来てくれよー!」
「ありがとう、また来るよ」
店のある広場には確かにベンチやテーブルつきの椅子もある。せっかくだしテーブルつきの椅子に座ろう。焼いた肉の匂い、いいね旨そうだ。早速ボア串にかぶりつく、お、美味い!
「美味いなーこれ、空っぽの腹に染み渡る。歯応え的にも丁度いいし、肉汁ジューシーなのにくどくないし、うんとりあえず美味いからいい!」
【食レポ、壊滅的ですねカーズさん(笑) 視聴者もがっかりですよw】
(いや、視聴者おらんだろ。誰に配信してるんだよ? それに美味いんだしそれで充分だろ。美味いは正義だ、可愛いと同じなんだよ)
【私の心のメモリーカードにこう、焼き付けておこうかなと。そして『カーズ戦記』という本を出すのです!】
平常運転過ぎる。そして相変わらず意味わからんことばっかり言ってる。なんだよ『カーズ戦記』って? 誰得だよ?
(いや、マジ絶対やめてくれよ。絶対脚色してネタ本みたくするだろ? 俺の黒歴史本にするに決まってる)
【しませんよー、カーズさんと私の姉妹愛溢れる作品にするのです( ー`дー´)キリッ!】
(それ戦記じゃねーよ。ネタ本だろ、そして俺は男だ)
2本目の串を食べ終えてから、果実ジュースを飲む。さっぱりしててうまい。
「おーこのジュースもこう甘すぎず、さっぱりとしててー、もう何て言えばいいんだろう、うんうまい」
美味ければいい、美味いのがジャスティス。
【ププッ、やっぱり食レポ壊滅ですねー(笑) いまの面白食レポは私の心のメモリーカードに永久保存しておきますから(笑)】
(早く消去しろ。てかアリアは何か食べたりしないのか? 神様でも腹は空くだろ?)
【さっきカップ麺を食べましたよ。やっぱり地球の食べ物は美味しいですねぇ】
こいつ……カップ麺だと? 俺が食べてーよ。何食ってんだよ。てか俺にもくれ!
(マジかー、世界観壊れるなあー。俺の異次元倉庫にも入れてくれよ。さっきの問題に答えるから、ギール! お金の呼び方、正解だろ? うえーい、カップ麺ゲットー!)
【汚い……。くぅー、やりますねカーズさん。まさか買い物した後に答えるとは。卑怯過ぎて笑えます。しかしカップ麺はそちらではオーバーテクノロジーですので送れません。 ああ、本当は一緒に食べたいのに!】
(カップ麺がオーバーテクノロジーって、どんな基準なんだよ。こっそり街の外で食うならいいだろ?)
【いやー実に残念ですぅ。カップ麺食べて『
こいつめ、人を煽る才能はピカいちだな。
(まあ、カップ麺でそんなの勘弁してもらいたいけどさ。どこまでが超発展なんだよ、もうかなり設定ガバガバだぞ)
3本目の串を食べて、ごみを始末する。少しは腹の足しになったし、ギルドに行くかな。
【ふむ……、確かに肉汁ジューシーですねぇー。くどくないし。ジュースも中々グッドです】
なんで俺が食べたものの感覚がわかるんだ?
(アリア俺が食べたものを食べてるのか?どういうこと?)
【えーとですねー、カーズさんの因子は私と同じなのでー、五感を同調させて感覚を共有してるんですよ。だから今後も美味しいものを食べてくださいねー】
(そんなことができるのか。なら俺にもカップ麺の感覚を共有してくれよ。ていうかその要領で結界とか張ってたんだな)
【んー、逆からだとかなり魔力を使うのでオススメできませんねー。また女の子になりたいですかー?】
(あ、いいやもう。何となく察しはついた。因子? の母体がアリアだから俺がその力を使うにはアリアの力をこっちに引っ張らないといけないってことだろ? だから俺が同じことをするにはかなり力を使うってとこだろ?)
【そうでーす。だからお勧めしませーん。いざというときはあるかもしれませんけどねー】
(やっぱな。当たらずも遠からずだ。そんないざというときは想定してない。そんなヤバそうなことには関わらないよ。はいはい、ギルド行くぞー)
【あははー、絶対今のフラグですよー(笑)】
(はいはい、もういいってば)
アリアが笑いこけている間にさっさと行こう。しかし、こういった街並みは何だか懐かしい気がする。何でだ? 幼い頃の感覚を思い出すというか……。俺はこんなとこには来たことはないはずだ。何も思い出せないし……。
「ぐっ……!? 何だ、頭が痛い?!」
【カーズさん、無理矢理記憶をこじ開けてはダメです!精神が傷つきますよ!!!】
「くっ、わかった……」
思い出そうとするのを止めると、頭痛はすぐに消えた。何だったんだ今のは……?
【カーズさんが無意識に忘れたいと思っている記憶を封印しているんです。だから無理矢理こじ開けるには相応のダメージが返って来ますよ。だから無理しないでくださいね】
(わかった、気を付けよう。また精神を壊すなんて嫌だしな)
【カーズさんの精神が強くなるに連れて徐々に鍵が外れるようにしてあります。時期が来れば視えるようになりますから】
(そうか、ならいい。俺自身がそう望んでた記憶なら猶更見たくない)
ギルドへ向かおう。確か来た時に通った南口の方に総合組合とかいうのがあったはずだ。今までは景色に気を取られていたが、道行く人々に目をやると、人間ではない種族もいることに気づく。確かに色々な種族がいる。ケモ耳の人々は獣人か、頭に角が生えているようなのは魔族か、耳の長いのはエルフ、おぉ…すげえ。これぞファンタジーって感じだ。羽が生えている人、天使(有翼人と言うらしい)、もいる。頭に輪っかはないのか…なるほど。
程なくしてギルドに着く。総合組合って一体何なんだろう? 冒険者ギルドって言うのとは何か違うんだろうか? 入る前にアリアに聞いてみよう。
(なあアリア、何でギルドが総合組合なんだ? 冒険者ギルドっていうものじゃないのか? まあファンタジーにも色々設定があるんだろうけどさ。詳しく教えてくれ)
【はいはーい、アリア先生にお・ま・か・せー!】
毎回うぜえ……いいから早く教えてくれ。
【総合組合と言うのは、冒険者だけでなく、生産者、商人などそういう国の中の仕事の受付を国が行っているってことですね】
(ほうほう、他の職種の人たちも依頼を受けたり出したりできるってことか?)
【まあ概ねそういう認識で大丈夫ですー。冒険者は国、生産者、商人や一般の方が出す依頼に至るまで、幅広い任務をこなします。生産者はもの創りのために必要な素材を冒険者ギルドに頼みますし、商人は生産者が創作したものの価値を管理したり、下請けして街のお店に流したり、他国へ輸出したり、輸入したり、商品の関税や適正価格などを国と決めたりします。国が経営しているのは、どの国、どの種族が運営していても一定の基準をその国々が管理することによって暴利や独占を禁止し、無茶な値上げや値下げが起こらないように決めているからです。あまりにも希少なものなどはオークションに出されますけどねー。どれも国にとっては必要なものなので別々にそれぞれのギルドを建てるよりも1か所に纏めてしまおうってわけです。国営なのはどこも同じですからねー】
なるほど、どこからでも依頼を出したり受けたり出来るし、不平等が起こりにくくなるように国営にして独占などを防ぐのか。国家経営のお膝元でそんな行為はできないもんな、中世の封建社会とは思えない経営の仕方だ。よし、大体は分かった。基本的に俺は冒険者ギルドの窓口で問題ないだろう。
(OK、じゃあ行こうか)
【ぶらじゃー(笑)】
……俺はそういう下ネタはスルーするよ? 神様のくせにとんでもねーわ。
大きな扉を引いて開ける。人が多いな。明らかに冒険者って感じのいで立ちの人や、生産者や商人って感じの人もいる。窓口がここだけだし、そりゃあ人は多いよな。しかも中で飲食ができるようにもなっている。食事や飲酒してる人もいるし、結構便利だな。
さてさて冒険者の受付はっと。右手の奥の方だ、結構荒くれな奴らがたくさんいる。どう見ても生産や商業に携わっているとは思えない。さっさと終わらせて売るものを売ろう。窓口のカウンターへ俺はすたすたと歩く。いやー、視線が刺さるなー、女性の冒険者も結構いるんだけどなあ。とりあえず居心地が悪い、手早く要件を伝えよう。カウンターのメイドっぽい恰好をしたお姉さんに尋ねる。
「あのー、冒険者の登録をしたいんですが。すぐにできますか?」
「いらっしゃいませ、私は受付代表のマリアンナと申します。初めての方ですか?」
「はい、そうですね。今日この街に着いたところです」
「では書類などの処理をするので、お名前をお願いします」
(アリア、
【そうです、それを名乗れるのは貴族階級になってからです。一般の人が名乗ると問題になります】
どんな問題だよ? と思いながら答える。
「カーズです」
「カーズさんですね。それではこちらに書類を用意したので、そちらのテーブルで記入をお願いします」
マリアンナは手慣れた手つきで書類を用意し、テーブルに案内してくれた。
「それでは記入出来たら此方へ持って来て下さいね」
ウインクされた。愛想のいい女性だ。美人で綺麗な長い金髪、これは荒くれ共に人気あるだろうな。おっぱいも大きいし。そう、おっぱいは世界遺産。尊いものなのだ。
(普通に記入したらいいのか? この世界の文字なんて書けないぞ)
【大丈夫です、『言語理解S』でカーズさんの読める言語に変換されますし、書いた文字も伝わるように変化します】
(マジか、すごいなこのスキル! そう言えば街中の文字もあまりにも普通に読めたから気にも留めなかった。外国語を教えてた身としては複雑だわー)
確かに言語理解の効果が出ている。日本語やら英語やらが混ざったように見える。謎!
「えーと、名前: カーズ、性別: 男、 ジョブ:
【ふあああああぁ――。食べたら眠くなってきましたー、ムニュムニュ……】
こいつ、面倒なんだな。寝やがった! まあいいか。これくらい自分で書ける。
(ステータス・オープン)
・
・
・
「出来ました」
カウンターのマリアンナのところに持っていく。取り合えず埋めるところは全部埋めた。
「え、えーと、カーズさん?」
ん? 何だろう書類と俺を交互に見て、不思議そうな顔をされる。
「どうかしましたか?」
よくわからんが聞いてみる。
「だ、男性なんですか!!!???」
「「「「「ええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!」」」」
「??」
おおっとこれは……、どのパターンなんだろうかね?
ヨルムに乗って南門の外まで飛ぶ。「来い! 神剣ニルヴァーナ!」「お願い、ルティ!」「あいよー」「星芒より来たれ! クローチェ・オブ・リーブラ!」 各々が自分の武器を構える。南門前に着地させたヨルムから見る、南門に迫り来るベヒーモスの大軍。東門の方にも反応がある。黒や青や赤など、様々な色をした数十m以上はある巨体に、二本の巨大な角、四足歩行の全身を分厚い獣皮が鎧の様に覆われている。こいつは確かに並の武器じゃ傷一つ付けられないだろうな。 だが俺達には神格に神気、神器やそれに匹敵する武器がある。怖れることはない。そして神気を放った状態でヨルムと両親の再召喚を行った。陽子を破壊できる俺達にとっては紙切れも同然だ。「先ずは挨拶代わりだ。いけ、ヨルム!」「任せよ主! 受けろ、我が輝くブレスを!」 ドゴアアアアアアアアアアアアッ!!! 神気を纏った極光の竜の息吹が、放射線状に放たれ大地を敵ごと抉る! グギャアアアアアアア!!! 凄まじい威力のブレスに、迫り来るベヒーモス共が粉砕されていく。だがまだまだだ、俺の千里眼と鷹の目には、南東にある大迷宮から次々に敵が飛び出して来ているのが視える。どんだけいるんだ? 数万は下らないだろうな。だが俺達だけで掃討する!「アヤ、母さん! 南門の防衛と援護は任せる!」「任せて!」「はーい、漸く母さんの出番ねー」 ババッ! 飛び降りる二人。「イヴァ、親父! 東門にも反応がある! 二人はそっちを頼む!」「よっしゃー、行くぜ猫嬢ちゃん!」「任せるのさー!」 ダンッ!!「全員逆探知を発動させて自分達にターゲットを絞らせろ! エリック、ユズリハ、ディードは目の前の敵の掃除を任せる!」「はい! カーズ様!」「オッケー!」「任せときなー!」 ドンッ! 同時に飛び出す三人。「アリア、視えてるんだろ? 操られてる神獣達が」「ええ、神龍ケツアルコアトルにグリフォン、フェンリルにフェニックス。どうやら大将首は神鳥フェニックスに乗っていますね」「なるほど、ダカルーのばーちゃんの時と同じだな。アリア、グリフォンはお前がどうにかしろよ。ケツアルコアトルは、竜王兄妹、お前達に任せる! 行け!」「ハイハーイ、気が乘らないけど行って来ま―す」
舞台に乗ってストレッチをしていると、逆方向からハゲが上がって来た。「「「ハーゲ!!! ハーゲ!!!」」」 うーん、凄い声援だが地味に悪意を感じるな。まあ、あんなのでも国民には愛されてるのかな? とでも思っておくか。俺が毛根破壊したんだが、ちょっと不憫だ。「やはり貴様とは殺り合う運命のようだな。神殺しのカーズ!」 また変なことを言い始めたなあ。厨二か? やだやだ。それにダメージ肩代わり魔道具あるから死なねーよ。「いやいや、偶々くじ引きでそうなっただけだろ? 俺もあの竜騎士と闘いたかったんだけどなあー」「フッ、そうか。俺と闘うのが怖かったということだな」「いや、あいつの方が強いだろ? 意味の分からん敵意をぶつけてくるから、ぶっちゃけお前は面倒くせーだけだ」「おのれ…、貴様……!」「聞いたけどさー、お前自分がSランクの最速保持者だったんだろ? 所詮記録なんていつか塗り替えられるもんだ。今の最速はウチのニャンコだ。そんなしょうもない程度のことでイラついてたらストレスでハゲるぞ? あ、悪い、もうハゲてるんだったな。ごめんなー、ストレスかけて。俺に勝ったら治療してやるよ」 まあこいつの態度次第だけどね。「くっ……、貴様にはSランクの誇りは、プライドはないのか!?」 何だそれ? プライドチキンにプライドポテトか?「ねーな。そんなのしょうもないもんがあったら20ギールで売ってやるよ。後、ウチのPTが美人揃いだとか、邪神を斃したとか、そう言うのが気に入らないんだってな? 只のやっかみだろ。お前はガキか? そんなことにエネルギー割くくらいなら鍛錬でもしろよ、くっだらねーな」「貴様ああー…! 言わせておけば……!」 語彙が少ないなあ。そんなんで口で俺に勝てるとか思わないことだな。これでも元教師、アホなモンペのクレームとかで慣れっこなんだよ。いくらでも口が回るからな。『さて遂に最終戦ですが、ここまで我がリチェスター勢は連戦連勝。そしてリチェスター及び、現在世界中のSランク最強のカーズさんが相手。ハ、ゲフンゲフン、ガノン選手には打つ手がありますかね? アリアさん』『うーん、いや無理ゲーでしょー。レベルも3倍以上の開きがありますし、カーズはああいうヘイトばら撒く小物が大っ嫌いですからね。まあでも手加減しながら色々と技
魔導具を起動させて、エリックが舞台へと上がる。そして逆方向からは竜騎士のカセルが舞台へ跳び上がって来る。「「「カセル!!! カセル!!!」」」 凄い声援だな。先程のソフィアの時も凄かったが、この人は相当の人気だ。青銀と群青色の色彩の全身鎧だが、昨日の暗黒騎士のサウロンよりは軽量だ。頭にも竜の頭を模した様なヘルム。FF4の竜騎士みたいな装備だ。そして武器はやはり槍か。穂先が結構長めのスピアだな。刺突にも斬撃にも対応可能な2m程の長さの槍。鑑定、ドラグーン・スピアね……。やはりSランクか。何処で手に入れたんだろうな? 後で聞こう。 スピアとは英語で『槍』を意味する言葉の一つ。槍全般を指す場合は『スピア(spear)』が一般的だが、馬上槍は『ランス(lance)』、長槍は『パイク(pike)』など呼び分けはされている。最も、スピアタイプの槍をランスと呼んでいたりもして、呼称の使い分けは厳密ではない。 スピアとランスはよく混同されるが、決定的な違いがある。スピアは片手もしくは両手で扱うことができる歩兵槍のことだ。振り回し、先端に付いた刃で刺突・斬撃が可能。投擲用のスピアは『ジャベリン』とも呼ばれる。 対してランスは、中世から近代まで主にヨーロッパの騎兵に用いられた槍の一種。語源はラテン語で槍を意味する『ランケア(lancea)』、日本語では、『騎槍』とも訳される。単純に馬に乗った状態での専用武器のため、馬に乗ってない場合は全く使えないシロモノだ。 戦場だけでなく馬上槍試合でも用いられたランスは、『兜・鎧・剣・メイス・盾』と並ぶ、騎士を象徴する装備の一つであり、ファンタジーRPGなどでは、細長い円錐の形に『ヴァンプレート』と呼ばれる大きな笠状の鍔がついたものがよく描かれているが、必ずしも全てのランスがその形状をしているわけではない。 ランスと他の槍との決定的な違いは、基本的に刃物がついておらず、棒の先が尖っているか、前述した円錐型をし、敵対者を突き刺して攻撃するのが最も効果的な武器である点だ(この先端の形状は国によって異なる)。また、長さも特徴の一つで 一般的な片手武器の中でずば抜けて長く、4~5メートルを超えるものもあり(一般的なランスは扱い易くするため2m前後だが、それでも片手武器では一番長い)、接近戦闘用の
Sランク同士の興行試合の日になった。時間的には昨日と同じくらい。みんなリラックスしながら俺の部屋でスタンバっている。後は城の使いの人が迎えに来るのを待つだけだ。 昨夜の夜這い連中はアヤが目を覚ました時に、ベッドの左半分を占拠する様に鼾をかいてだらしなく寝ていた。そして事情聴取からの当然怒られていた。だからやめろって言ったのになあ。「「「「次はうまくやるし/やります/やるわー/やるのさ……」」」」 まあどう見ても反省してないけどね、こいつら……。全く、なんでこんなことをするんだか……? しかもまたやる気だし…もう知らね。「今日もアリアの姿がないということは……、やっぱり実況やるんだろうな」「昨日楽しそうだったもんねー」 アヤが答える。だよなー、絶対面白半分でやるだろうな。「盛り上がってたし、いいんじゃないの?」「今更なあー、あの人に何か言っても無駄だろうぜ」 エリユズの言う通りだな。あのアホは面白いと思ったことに対しては全力で命をかけてでも取り組むやつだからなあ。取り敢えず俺は両親がゲストに呼ばれないことを祈ろう。念の為に後で念話も送っておくか。「今日は恐らく昨日以上にレベル差がある分、更に一方的になるだろう。相手の仕掛けて来るスキルやら魔法、魔力撃も全て俺らに傷をつけられない。だから取り敢えずは一通り相手の手の内を見てやろう。俺達が先に仕掛けたら、そこで試合終了だ。一応イベントだし、多少は盛り上げさせないとな」「面倒臭いけど、仕方ないわよねー」「ちんたらしてたら先にしばきそうだけどなー」 この二人の戦闘狂なら充分ありえそうだが、折角の貴重な対戦だ。一瞬で終わらせるのは勿体無い。「まあ、そうかも知れないけどなあ。一応相手の戦術やらを見てみようぜ。相手のが俺達よりも形式上は先輩なんだし。あ、そう言えば俺はあのハゲと対決させられるんだろうか? ぶっちゃけ嫌なんだけど」「昨日の対戦順とかも勝手に決められてたし、違う相手かも知れないよ?」 アヤが言う様に、確かにプログラムとかもなかったし、世界的なイベントの割には意外と杜撰だよな……。勝手に実況までやってたくらいだし。盛り上がれば何でもいいのかね? 文化が中世だしそこまでキッチリじゃないのかもな。「そうだな。まあ誰が相手でもいいか。あのハゲは豪
うーん、どうしてこうなった……? 二回目。 城下のお祭りから、まだ食い続けているアリアを放置して某人気走る娘の様に腹ポコ状態のイヴァとルティを回収して帰って来た迄はいい。そしてみんなで一旦風呂にしようということで大浴場に向かった。普通は男湯に入るよね? でも女性体状態でピンクの浴衣に髪の毛も飾られている状態で男湯の暖簾を潜ろうとしてた俺は、女性陣に全力で止められた。まあ、冷静に考えたらこの状態で入るのは問題あるよね。中で男性体に戻ればいいんだが、その前に絶対に全身を「なんだなんだ?」って感じで見られるだろうし……。 でもね、躊躇なく女湯の暖簾を潜れる程、俺は自分を捨ててないんだよ。女性陣に散々説教されて、仕方なく女性体のまま女湯に入り、体を洗って、髪の毛は何故かみんなが我先にと言わんばかりの勢いで洗ってくれた。いやあ、ありがたいけどツラいな……。「お前は毎回無駄に苦労するよな……」 というエリックからの同情と憐れみの視線はともかく、「女風呂に堂々と入れるとか最高っすね、兄貴は!」 と思春期丸出しの発言でチェトレに蹴られていたアジーンにまで、変な気の遣われ方をされるというツラさ。まあね、見た目の性別は変えられるよ。でもねー、中身? 精神は男なんだよ? ウチの女性陣が多分おかしいんだろうと思っていたんだが、いや寧ろ気を遣ってくれているのかも知れないと最近は思う様になってきた。自宅でも女性陣の方が堂々と「一緒にお風呂に入ろうよ」と言って俺を連れて行く。その後で「女性体になってね」って言う感じで。 実際女性体の方がリラックスできるってのはある。男性体を維持するための全身の魔力の緊張を解きほぐすには女性体の方がいいんだよな。それに男性体でも顔の見てくれがね……、てことで男性陣は余り一緒に風呂ってくれない。全くこの思春期童貞共め……! 女性陣の方が度胸があると言うか恥じらいがないと言うか、肝が据わっている感じだ。一応男なので極力見ない様にしているけど、向こうは堂々と見て来るし、モロに触って来る。もうね、距離感がわからんのだよ。イヴァとかルティは子供と風呂ってる様な感覚、アガシャもそんな感じだ。まあ大抵はアヤも一緒だしな。と言うかアヤがいないとさすがに気が引ける。 タチが悪いのがユズリハやチェトレ、アリアのアホとくっついて
うーん、どうしてこうなった……? 祭典、夕暮れのお祭りの街中をみんなと歩いている俺は浴衣を着ている。いや、浴衣が悪い訳じゃないんよ。なぜピンクの女性用の浴衣もろもろのお祭りセットを着せられているのかということだ。そして仕方ないので勿論、女性体になっている。さすがに男性体の状態では違う意味で着れない。このお祭り堪能セットを用意していたのはやっぱりアリアだが、持って来たのはアヤだ。しかもノリノリで。みんなの分も頼んでいたらしい。「折角だから一緒に可愛い恰好をして、日本の夏祭りとか縁日みたいに過ごしたいなー」 などと目を輝かせて言うから、断れなかった。うーん、困った。着付けも髪の毛の飾り付けも全部アヤとウチのメイド組がやってくれた。もうこれまたノリノリで……。でもね、女性体の時の体を見られるのは何故かすんげー恥ずかしいんだよ。あー、いやマジ勘弁して欲しいけど、アヤがこういうシチュエーションも楽しみたいらしいので、もう今更だなあと逆らわないことにした。段々受け入れていってる自分がいるのは確かだが、アガシャに見られるのだけは一番キツかった。いやマジで。 バトル組の男性陣、エリックにアジーンは男性用の紺色やら暗めの配色の浴衣だ。城内で軽く飲み食いしながら待ってくれていた。って言うかそりゃ気まずいよ、それに俺も男性陣なんだけどね……。そしてユズリハにちょくちょく邪魔され悪戯された。クラーチでの悪夢を思い出すよね、これ……。言っとくけど、昔の日本の伝統みたいなことはしてないぞ。ちゃんと下も穿いてるからな。でも上は勘弁してください。 そしてお祭りセット一式をフル装備で城下に出て来たんだが、浴衣を着ている人が結構いることにも驚いたけど、夜店とか屋台とかも西洋のものと同じくらい日本ぽいのが結構あるんだよ。なんだろなあー、この世界は和洋折衷みたいな感じなんだよなあ。屋台には焼きそばとかたこ焼き、りんご飴、お面とか射的(コルク銃ではなくおもちゃの弓だが)、千本つりみたいなくじ引き(これはまず当たらないからやらない方がいいとみんなには言っておいた)、まあ千里眼や鑑定で視えるしね。うん、でも何だか懐かしい気分になる。 浴衣を初めて着るイヴァやルティは子供の様にはしゃいでいた。アガシャも初めて着たらしいが、少し照れ臭そうだったので、「可愛いし似合ってるぞ」と







